流れる星を見つけたら
「バカにするなよ」
暗い街灯に照らされ
男は笑っていた。

その顔は綺麗であり

怖かった。

「謝ったら離してやる」

グイグイと身体を押され
男の顔が近寄る。

怖い。

「金だけ取って、適当な事言ってる女だろ。その金でどんだけ遊んでる?」

男の肌が近寄る

いや……

顔を横にすると
頬が重なった。

「自分こそ遊んでるんだろ」

男の唇が私の唇をふさぐ。

キスされた
知らない男に

こんな男に。

嫌がる私に
男は乱暴に舌を絡ませようとする。

嫌だ。

「いやぁ」

思いきり力を入れて男を突き飛ばし、しっかり男を見ると男は驚いた顔で私を見ていた。

「ひどい……」

私は泣きながら言い
足をもつれさせて路地から逃げようとすると

「ごめん」って男が私の肩を触る

私はショックでふらつきながら、男をまた突き飛ばし涙を流す。

男は私の顔を見て

「ごめん」ともう一度言い
一歩近寄ったので

私は
走ってその場を去った。

泣きながら

立ち去った。

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