流れる星を見つけたら
「貴女にもありますよ」

「誰だろう」

「一番最後にキスした相手です」

「はぁあ?」
女子高生のような声を出してしまった。

「それだけは信じません」
思わず立ち上がって大声を上げると

「運命です」顔色変えずに言われた。

「私はそいつが大嫌いなんです」

「そうですか」
クスクスとシェフは笑う。

「だっ、だって今ですよ。今、そいつにキスされて、ひどい事沢山言われてキスされて泣いてここに来たんだから」

「そうですか」
楽しそうな顔が悔しい。

「そいつは、顔はいいけど、邪悪で人をバカにして性格の悪い奴なんです」
必死で訴えるけどシェフは首を傾げて「うーん」と返事。

「彼は素直でいい子ですよ。僕はおススメします」

澄んだ目でジッと私の顔を覗き込む

反論できない威圧感がそこにある。


でも

絶対

違うんだから。


ラテを飲みほし

私はそっぽを向いて

頬をふくらませた。



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