流れる星を見つけたら

「本当に悪かった」

癒されるBGMと一緒に流してしまう

無理やりのキスは
思い出したくない。

「もうお互い忘れよう」
封印しようぜ。

明るく言っても目の前の男は納得せず、首を横に振り静かに話し出す。

「前の話だけど、一年付き合ってた女の子がいて。とっても可愛くて性格がいい子だけど占いが好きで、朝からテレビの1分ぐらいの占いで一喜一憂。ラッキーカラーはグリーン。ラッキーアイテムはストラップ。ラッキーナンバーとラッキーフードと……キリがない」

「女の子はそーゆーの好きだから」

私も好きだったし

「そのうち終わるだろうと思ってたら、徐々にエスカレートしてさ。友人に紹介された占い師に調子のいい事言われて騙されて、目を覚まそうとしていた僕を邪魔にして、別れるはめになった」

「あらら」
お気の毒に。

「その占い師、詐欺師だったんだ。僕が逮捕した」

「結果オーライだ」

「逆に彼女に怒られて、助けて元に戻るつもりが徹底して嫌われた」

「詐欺師に洗脳されたのかな」

「多分。だから占い師は嫌い」

「そこかい?」

貴方の過去はどうでもいいけど
全ての占い師を目の敵にされても困るんですけどーー。

「凜子さんは本物っぽいけど、君はその詐欺師と似た雰囲気を持ってたから」

やっぱりわかるのか。
そうだよね
私は占い師ってーより
メンタリストだよね。

ウィッシュ!って感じで……いや、ウィッシュ!じゃないか。

てか凜子さん。

私だけ?
サンドイッチ占いのお姉さんの名前しらないの。

うわぁ一番近くで仕事してんのに

何気ショックっす。
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