流れる星を見つけたら

するとシェフは

「危ないでしょう!」と、トラックに叫び

怖い怖い顔で運転手をにらみつけ、私を抱えて横断歩道を走って渡る。

「まったくもう……」

そして
交差点を行き交う自動車の列を見ながら

「いつの間に、こんな余裕のない時代になってしまったのでしょうか」

その遠い目をおやめなさい

ゆとり世代過ぎますよ。

「で。質問の答えは?」

怖い顔を継続するシェフの背中を押し、周りの人達の目を気にしながら私達は前に進む。


< 57 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop