流れる星を見つけたら
彼の温かさに包まれながら
心の中は空っぽで冷えている

反比例だね。

キリがないか
ダメだね
こんなんじゃ。

「ありがとう」
心を込めて伝え
彼の胸から離れる私。

名残惜しそうに
彼は長い指を
私の髪からコートのポケットに戻す。

「えっと……警察へ行けばいいのかな?被害届を出せばいいのかな?」
気力もなくて嫌だけど

「うん。まだそこらに居るかもしれないから、応援を呼ぶ」
仕事モードに切り替えたのか、また冷たい表情になり本部に連絡をしている。そして、それが終わった頃私は彼にお願いをする。

「あのさ」

「うん」

「ここでさよならしたい」

「え?」

「誰か来るんでしょう。その人に話をするから、警察へ行って話をしてもいい。だから、あなたとはここでさよならする。残って捜査して、さっきの変態を探して捕まえて」

「何だって?」

「え?」

何だって?って……。
素直に『うん』って言ってくれると思ってたんだけど、違った?

彼は私の肩を強く掴み
顔を急接近。

「どうしていつも勝手な事ばかり言うの?」

怒ってる?

「ここでさよならとか、永遠にさようならとか……そんなに僕が嫌いなの?」

星空の下
真剣な顔が怖い。
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