流れる星を見つけたら
一瞬目を細め
彼は何かを確認してから、私の前に戻り

「今、人が来るから」
作り込んだ笑顔を見せる。

「……うん」

「希望通り、ここでさよならする」

何かを決意した声だった。

「迷惑かけたね。どうしても気になって、追いかけてごめん」

返事ができない。

「もう言葉の通り『さよなら』するから」

さよなら……なの?

「僕に会うと、怒るか泣くかだよね」

首を横に振るけど
その綺麗な顔の淋しさは変わらない。

「ごめん」

「私こそ……ごめん」
やっと声が出る。

遅いよ私。

唇を噛んでいると
交番のおまわりさんが2人現れ、彼に敬礼してから話を聞いている。

背筋の通った背中を見ていると
彼は「後は彼らに任せて」と、それだけ言って

そのまま


行ってしまった。


魂を

半分持ってかれた



そんな気持ちになった夜。







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