流れる星を見つけたら
街で噂の占い師
あれから半月ほど経過
彼の顔も見ないし
電話も来ないし
もちろん
こっちからかけないし
変態犯人は捕まったらしいけど、その連絡も別の人からだった。
仕事は生活の為
何とかこなしているけれど
気分は堕ちる。
凜子さんは何も言わない。
彼の情報も言わないし
来週行く鳥羽一郎のコンサートの話とか、来月に迫った挙式の話とかを淡々と私に話しかけ、ぼーっとする私の頭を動かしてくれていた。
アブナイ奴はいないかと
帰り道がトラウマになり
キョロキョロと挙動不審になりながら、歩いている自分が一番アブナイ。
それでも
ふと空を見上げ
流れ星を探すけど
探し方が悪いのか
なかなか
見つける事ができない私。
もっと笑えばよかった
って思った。
彼の笑顔がもっと見たかったのなら、自分だってもっと笑えばよかったって……今さら思った。
遅いわ。