流れる星を見つけたら
「羽振りのよくなった店員に近づき、おとり捜査まがいの事もして、やっと尻尾をつかんで逮捕したそうです」

「おとり捜査?」

「警察も大変ですねー。ギリギリ事やらないと犯人逮捕できないんでしょうか?彼は顔がいいから、そっち系の方で上から命令されてるんでしょうか」

「あの店員は彼女じゃないの?」

「彼女を逮捕します?」

シェフの言葉に
私の心は気の抜けた炭酸水。

「あの店員さんは彼女じゃないでしょう。彼の目を見たらわかります」

「私、わからなかった」

「凜子さんはすぐTwitterでつぶやいてましたよ」

だから
私だけハズれてますけど!
仲間に入れて下さいよ!

「ここから先は自分で頑張りましょう」
シェフは立ち上がり
凜子さんの店を覗く

え?
ここで放置ですか?

「あの……」

「はい」

「私はどうしたらいいんでしょう」
ひとりにされたくなくて
必死に訴えると

「そうですねー。サンドイッチ占いでも行きます?」
さりげなく言われてしまった

「自分から一歩踏み出しましょう」

クルリと私の方を見て
にっこり笑って

シェフは
行ってしまった。

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