モノクロ
「わ……っ」
触り心地も質感も重量感もすごく手に馴染んで、羽の形がぴったりと私の手に収まってくれる。
その感覚は偶然のはずなのに、自分に合ったキーホルダーと運命的な出逢いをしたような感じがした。
他にも私と同じような感覚になる人がいるんじゃないかな。
それはきっと、人それぞれに馴染むデザインがあるということ。
デザインは様々だし、これならきっといろんな年代の人に気に入ってもらえるだろう。
幅広い人たちに愛される商品。
そうなることを目標にして、企画部のみんなは毎日頑張っているんだ。
私もみんなと同じように、いつかは自分で企画したものを形にしたいと改めて思った。
こんなにも素敵なものを企画して作り上げた佐山さんのことを本当に尊敬する。
「どう?」
「すごく素敵です! 手に触れた感じも、見た感じも、すごくいいです! これ、手に取った人は絶対に欲しくなっちゃいますよ! 私も欲しくなりました!」
「本当? それは良かった」
私の言葉に、うん、と佐山さんは嬉しそうに頷いてくれた。
テンションのあがってしまった私は、その想いを次から次へと佐山さんに伝える。