モノクロ
 

「へぇ~。じゃあ、弟は? 自慢じゃねぇの?」

「弟ですか? ……ヤツは憎たらしいですね。それはとても。」

「ははっ、何それ」

「私のこと呼び捨てだし、何かいちいち干渉してくるんですよね。たまに、どっちが年上だよ!って言いたくなることもあります」

「くくっ、やっぱり“自称しっかりものの姉ちゃん”じゃん」

「違いますってば! “自他共に認める”ですっ! 弟は年がひとつしか違わないし、昔から弟の方が身長も遥かに高いから、調子に乗ってるだけなんですよー」

「どーだか。くくっ」


弟……晴海(はるみ)は無駄に心配性なところがあって、この歳になっても頻繁に連絡をしてくる。

それは夏乃に対しても同じらしい。

そんな晴海のことをかわいいとは全く思ったことはないけど、いろいろ口を出されながらも、私や夏乃のことを想ってくれてるからこその言葉だから、やっぱりありがたいし憎めないところは多い。

晴海は地元にはいないからだいぶ会ってないけど適当に生活はしてるだろうし、昨日も連絡がきたばかりだから問題がないことは確認済みだ。

 
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