モノクロ
その時、梢ちゃんの食べる手が止まった。
「梢、ごちそうさまする?」
「ん! ごちそうさまでしたっ」
「たくさん食べたね。お腹ぽんぽこ!」
「ぽんぽこ~! きゃははっ」
若菜さんに抱き付く梢ちゃんの笑顔がすごくかわいくて、ウズウズとある衝動に駆られる。
「……あの、若菜さん……お願いが」
「え、何?」
「なぁにー?」
若菜さんの後に続いた梢ちゃんの仕草がかわいすぎて、口を手で押さえてつい悶えてしまう。
「こっ、梢ちゃん、かわいいです……!」
「ほら梢、かわいいって言われてるよ? ありがとうは?」
「ありがとうっ」
満面の笑みの梢ちゃんから飛んできたお礼の言葉に、また悶えた。
「~~っ、たまらないですねっ!」
「ふふっ。あ、で、お願いって何?」
「あっ、梢ちゃんの写メ撮らせてもらってもいいですか? 絶対に変なことには使いませんからっ」
「そんなこと? 全然いいよ。変なことなんて使わないでしょ? そんな疑わないから、梢で良ければどんどん写メっちゃっていいよ」
「わ、ありがとうございますっ」
私はいそいそと携帯を取り出して、ささっと1枚写メを撮る。
撮れた写メは、若菜さんの背中に抱きついて笑う梢ちゃんの姿で、それはもう、すごくすごくかわいい姿だった。