モノクロ
「これで癒されることにしますっ」
「1枚で良かった?」
「十分です! 梢ちゃん、写真写りすごくいいですね。めちゃくちゃかわいいです~!」
「ほんと? それなら良かった」
「あ、紀村先輩に見せるのはいいですか?」
「隼人? うん、もちろん構わないよ」
「良かった!」
きっとまた悔しがられるだろうけど、かわいい梢ちゃんの姿は共有しなきゃ!
笑顔になってくれるはずだ。
「まま~、ふーくん」
「あ、はいはい、じゃあ、梢はこれ観ててね」
「ふーくん! ふーくん!」
きゃっきゃと飛び跳ねる梢ちゃん。
鮮やかに若菜さんのバッグから登場したのはタブレットだ。
そこに映し出されるのはふーくんのアニメで、梢ちゃんは引き寄せられるように、あっという間にタブレットの画面に夢中になっている。
「タブレット……ですか」
「うん。これ見せてると梢静かになるんだよね~」
「へぇ~そんな道具が!」
「便利なのよね、タブレットって。ほんと重宝してるの。よし、食べよっ」
「ん~おいしい!」と笑顔を浮かべながら若菜さんが食べ始める。