モノクロ
「そうそう、すごく遅くなっちゃったけど、前にショウがアキちゃんとお仕事させてもらった時、迷惑かけて本当にごめんね?」
「あ、エンジェルランドのこと? いいよ、いいよ! デザインは無事にあげてもらえたし、商品の売れ筋もなかなかなんだよ! ショウのデザインの商品は特に! 私の妹も私に内緒で買ってくれてたんだけど、ショウのデザインを選んでて。まだ先の話だと思うけど、もし次の企画が決まったら、またショウにお願いしたいと思ってるんだ!」
「本当? それ、すごく嬉しい。ショウも喜ぶ」
ランランはまるで自分が誉められたみたいに、嬉しそうな表情を浮かべた。
二人のこういう関係っていいなと思う。
自分のことのように思える相手がいることってすごく素敵なことだと思うから。
「ねぇ、ランラン。もし邪魔じゃなかったら一緒に回ってもいい? ショウも戻ってきそうにないし、私ちょっとブランクできちゃったからいろいろ教えてほしいなって!」
「うん、もちろん。今日出店してるクリエイターさんで、アキちゃんにオススメしたいなって思ってたのがあるの」
「わ、ほんと? ありがとう! 楽しみ!」
ランランはにこっとかわいい笑顔を向けてくれた後、さっとスマホを取り出して何かを打ち込み、さっとしまった。
その速さにいろいろ不思議を感じてしまったけど、まぁいいかとランランと二人、会場内を回り始めた。