殉愛・アンビバレンス【もう一つの二重人格三重唱】
完成したばかりのテニス練習場は、ハネムーンベイビーを宿した薫とは楽しめなかった。
つわりのひどかった薫は、激しい運動が出来なかったのだ。
せっかくのコートを遊ばせどおくのは勿体無いと知人に勧められ、仕方なく孝は一般向けのテニススクールとして営業を開始する。
幸いインストラクターの資格は学生時代に取得していた。
本当の目的は、薫との愛の生活のため。
でも薫が死亡した時点で、次の目的に替わる。
それはテニスを知らない香に教えることだった。
香が薫として生きるためには、必要不可欠だったのだ。
でも香はそれを拒んだ。
自分を主張出来る、唯一の方法として。
薫として生きなければならない香。
解ってはいても……
そのことで傷付いた孝が人妻に目を付けようとは。
自分にしたのと同じように睡眠薬で眠らせて犯行に及ぼうとは……
香はこの時全く気付いていなかった。
別にテニススクールで儲けなくても、孝は生活に困る訳ではない。
それならばと隣に本格的な珈琲カフェをオープンすることにした。
メインは一流パティシエのケーキと、混じりっけなしのブルーマウンテン。
ジャマイカで取れるブルーマウンテンよりも、日本の輸入量の方が多いと言う現実は知っていた。
だから信用の置ける業者に依頼した孝だった。
正真正銘、本場物の一級品。
これが一番の売りだった。
それと銀ブラの代名詞となったブラジルコーヒー。
その上で好みの味にブレンドした孝のオリジナルコーヒー。
この三品がカフェの人気に火をつけたのだった。
コーヒー豆は冷暗所で保存し店の中で焙煎する。
ドリップ式、サイフォン式など客の好みに合わせる工夫などした。
そうすることが店をコーヒーの香で包み、満足できる空間を作り上げていったのだった。
でも孝はそれだけで満足しなかった。
自分をもっと向上させたいと考えたのだ。
そのために真っ先にしたのは他店の研究だった。
その時に訪れたカフェで孝は興味深い話を耳にする。
テニスウエアに身を包んだ主婦達が、インストラクターの品定めをしていた。
主婦から誘い、若いインストラクターを堕とす。
それはまるでゲーム感覚プレイ。
逆レイプの話題だった。
つわりのひどかった薫は、激しい運動が出来なかったのだ。
せっかくのコートを遊ばせどおくのは勿体無いと知人に勧められ、仕方なく孝は一般向けのテニススクールとして営業を開始する。
幸いインストラクターの資格は学生時代に取得していた。
本当の目的は、薫との愛の生活のため。
でも薫が死亡した時点で、次の目的に替わる。
それはテニスを知らない香に教えることだった。
香が薫として生きるためには、必要不可欠だったのだ。
でも香はそれを拒んだ。
自分を主張出来る、唯一の方法として。
薫として生きなければならない香。
解ってはいても……
そのことで傷付いた孝が人妻に目を付けようとは。
自分にしたのと同じように睡眠薬で眠らせて犯行に及ぼうとは……
香はこの時全く気付いていなかった。
別にテニススクールで儲けなくても、孝は生活に困る訳ではない。
それならばと隣に本格的な珈琲カフェをオープンすることにした。
メインは一流パティシエのケーキと、混じりっけなしのブルーマウンテン。
ジャマイカで取れるブルーマウンテンよりも、日本の輸入量の方が多いと言う現実は知っていた。
だから信用の置ける業者に依頼した孝だった。
正真正銘、本場物の一級品。
これが一番の売りだった。
それと銀ブラの代名詞となったブラジルコーヒー。
その上で好みの味にブレンドした孝のオリジナルコーヒー。
この三品がカフェの人気に火をつけたのだった。
コーヒー豆は冷暗所で保存し店の中で焙煎する。
ドリップ式、サイフォン式など客の好みに合わせる工夫などした。
そうすることが店をコーヒーの香で包み、満足できる空間を作り上げていったのだった。
でも孝はそれだけで満足しなかった。
自分をもっと向上させたいと考えたのだ。
そのために真っ先にしたのは他店の研究だった。
その時に訪れたカフェで孝は興味深い話を耳にする。
テニスウエアに身を包んだ主婦達が、インストラクターの品定めをしていた。
主婦から誘い、若いインストラクターを堕とす。
それはまるでゲーム感覚プレイ。
逆レイプの話題だった。