殉愛・アンビバレンス【もう一つの二重人格三重唱】
その頃節子は、三峰口駅に向かっていた。
トイレに置いてあったメモ帳を見たからだった。
《自分はもしかしたら殺されるかも知れない》
《きっと翼も何処かで殺されている》
《犯人は、さっきまで一緒にいた翔さん》
《何故なら、ご両親を殺したのは私と翼だから》
駅前で節子は、泣きながら三峰神社行きのバスを待っていた。
中川の駅員が、陽子が三峰行きの電車に乗ったと教えてくれたから、節子は二人を追いかけれたのだった。
大輪バス停で知人が乗り込んできて、節子を見つけ隣に座った。
「 神社まで? そう言えば陽子ちゃん、旦那さんと一緒にロープウェイ入口方面に向かって」
そこまで聞いて節子に立ち上がった。
「すいませーん! 降ろして下さい」
節子は大声で叫んだ。
三峰口駅出発の乗り合いバスは、全線何処でも止まってくれる。
秩父湖。
御嶽山。
温泉施設など、様々な観光に対処するためだ。
節子はそう思い込んでいた。
でも本当は、秩父湖の先からだったのだ。
それでもバスは停止してくれた。
「ありがとう!」
節子は知人にお礼を言いながら運転手の横にある料金箱に向かった。
「あっ、財布忘れた!」
何時もは入れてある財布が見当たらないのだ。
見兼ねた知人が千円渡してくれたので、両替機で小銭に崩して代金を入れて昇降口から慌てて飛び降りていた。
バスを降りると同時に出発する窓に向かって何度も頭を下げた。
「おかしいな。さっき電車に乗った時にはあったわよね?」
節子は首を傾げながら、廃止されたロープウェイ駅を目指すために大輪方面に向かって走り出した。
トイレに置いてあったメモ帳を見たからだった。
《自分はもしかしたら殺されるかも知れない》
《きっと翼も何処かで殺されている》
《犯人は、さっきまで一緒にいた翔さん》
《何故なら、ご両親を殺したのは私と翼だから》
駅前で節子は、泣きながら三峰神社行きのバスを待っていた。
中川の駅員が、陽子が三峰行きの電車に乗ったと教えてくれたから、節子は二人を追いかけれたのだった。
大輪バス停で知人が乗り込んできて、節子を見つけ隣に座った。
「 神社まで? そう言えば陽子ちゃん、旦那さんと一緒にロープウェイ入口方面に向かって」
そこまで聞いて節子に立ち上がった。
「すいませーん! 降ろして下さい」
節子は大声で叫んだ。
三峰口駅出発の乗り合いバスは、全線何処でも止まってくれる。
秩父湖。
御嶽山。
温泉施設など、様々な観光に対処するためだ。
節子はそう思い込んでいた。
でも本当は、秩父湖の先からだったのだ。
それでもバスは停止してくれた。
「ありがとう!」
節子は知人にお礼を言いながら運転手の横にある料金箱に向かった。
「あっ、財布忘れた!」
何時もは入れてある財布が見当たらないのだ。
見兼ねた知人が千円渡してくれたので、両替機で小銭に崩して代金を入れて昇降口から慌てて飛び降りていた。
バスを降りると同時に出発する窓に向かって何度も頭を下げた。
「おかしいな。さっき電車に乗った時にはあったわよね?」
節子は首を傾げながら、廃止されたロープウェイ駅を目指すために大輪方面に向かって走り出した。