君色【完】
prologue
───どうしてこんなに、愛しいのだろう
廊下ですれ違うたびに、目が合うきみが
時々授業中に聞こえてくる、きみの声が
あたしの心を満たしてくれる。
色褪せてきていたこの世界で、1人だけ輝いて見えたきみに
約1年の片思い。
......好き...安藤くん...
廊下ですれ違うたびに、きみを見つめながら呟くこの言葉。
伝える勇気なんて、持ち合わせていないけど。
いつか、なんて夢見る日々だった。
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