君色【完】
ふつふつと湧き上がる怒りを殺しながら、冷静に言葉を続けた。
「は?」
「それにいま、お前そんな状態だからなにもしねぇけど」
「......」
怒りに負けて、安藤を殴りそうになる自分を言葉で押さえつける。
「もう絵梨に近づくな」
「......」
「絵梨の今の彼氏は俺だ」
「...あっそ」
「......だけど、俺はお前をちゃんと話がしたい」
「は?」
「今週の日曜、13時に駅前のファミレスで」
「男2人でファミレスかよ」
「来いよ」
「...」
強い瞳でそう告げる。