君色【完】
熱があったからとはいえ、あそこまで理性がとぶとは。
絵梨が途中でとめてくれてよかった...。
「......っ」
すっかり暗くなった街の中。
人が溢れる道で、下を向きながらそんなことを考えていると、俺の右肩が誰かとぶつかってしまった。
...なんだか、それですらも腹がたって。
「おい」
ぶつかった人を、呼び止めた。
その人は、少々肩をビクっと跳ねさせながらゆっくりと振り返った。
「.........っ」