君色【完】
その途中、いかにもヤンキーな集団に絡まれて殴り合いのケンカをした。
...こんなに殴られたのは初めてかもしれない。
ひとけのない路地の中。
俺の中で抑えきれなくなった、自分に対する怒りはついに爆発して、目の前にあったコンクリートの壁を殴った。
真っ赤に染まっていく右手。
感じるハズの痛みは、もう感じないほどだった。
「...くそ...っ」
どうして俺は、こんなに自分をコントロールできないんだろう。
女遊びなんて、もう飽きた。
俺は...もう1度だけ、絵梨に触れたい。