君色【完】






絵梨も、俺だけを見て欲しいのに。



......本当は、本気で好きだった。
だけど、こんなのは初めてだからどうしたらいいのかわからなくて、
気づけば絵梨を傷つけてた。

絵梨だけは傷つけたくなかったのに。


ごめん、絵梨。

もう、許してはくれないと思うけど。






「おい、なにやってんだ!」


突然、左肩を強い力でつかまれた。
目の前には、見知らぬ男。

高校生か?制服は違った。

「......っ」


俺は、その男を睨みつけてから
さっきまで壁を殴っていた右手で男を殴ろうとする。


だが、それはなんなく止められてしまった。


< 204 / 277 >

この作品をシェア

pagetop