君色【完】
だったら早く......。
「......っ」
......両目からあふれ出すいっぱいの涙に、顔がぐちゃぐちゃに濡れた。
颯太。
あの笑顔は
昨日までの笑顔は...ずっと、あたしだけに向けれてたものだと思ってた。
...でも違ったんだね。
颯太はみんなのものだったんだね。
...あたしは...心から颯太に愛されていなかった。
颯太にとってあたしは、都合のいい人形だったんだね───...。