ヤンキー×お嬢様
私と父さんが軽い口論をしていると、弟のユイとキヨが口を挟んできた。
「ま、まぁまぁ。それよりも、早く終わらせようぜ」
「ユイ兄の言うとおりです。僕たち、朝ご飯まだ食べていないのにもうそろそろお昼だですよ?」
美形二人の弟を持つのは弱味だ。
どうしても折れてしまう。
「・・・ユイとキヨにしては、良いこと言うな」
「え、ホント!?ユイ兄、ミウ姉が僕のこと褒めてくれました!」
「うんうん、よかったなぁ。」
キヨの頭を撫でるユイ。
「エヘヘ」と照れながらはにかむように笑うキヨと、それを口角をあげて見つめるユイ、またそれを目を細めて幸せそうな顔で見る父さんを見て、ふと我にかえった。
ーーーーそうだ、私は本当はここにいちゃいけないんだ。
「コンビニ行ってくる」
「おぉ、気をつけるんだぞ」
さっきの口論がなかったかのように、私を心配する父さんに首を縦に振った。
「え、この近くにコンビニあるんですか!?」
「あるよ。キヨ知らなかったのか?」
「うん。へぇ、僕も後で行こ」
後に、美雨が帰ってくるのが遅いことと美雨の財布が家の中にある2つの事実から、3人(+1匹)は気づいた。