ヤンキー×お嬢様
まさかの知り合い?
まじまじと見る。
あ。
コイツ
イケメンだ。
二重に高い鼻、整った唇、さらさらそうな髪。
右目の下にある涙ボクロが、大人っぽく見える。
人気ありそう。
が、
「知りません」
話したこともなければ、目が合ったこともない。
初対面だ。
「そ、そっか」
口ではそう言いつつも納得しているのだろうか。
「!」
再び目が合ったとき、私は絶句した。
なんで。
なんで?
なんで
そんな愛しそうな目で、私を見るの?
気が付くと、彼は笑っていた。