ヤンキー×お嬢様
ヤンキー×女子
机につっぷす。
もう、これで話かけてこないだろう。
「ーーーー!」
そうだ。
家に帰ったら、どうしよう。
「ーーーー!」
そういえば今日は、父さん早く帰ってくるんだっけ。
「ーーーー!!」
じゃあ、夕飯のメニューは父さんの好きなオムライ「咲丘さんっ!」
「っ!」
急にイヤホンが外れ、それと同時に高い声が聞こえた。
反射的に顔をあげると、私以上に眉をひそめている奴が目の前に居た。
コイツ、眉毛がつながるぞ。
「何回も呼んでいるの、分からないの!?」
いやいや、今あなたの持っている私のイヤホンのおかげで全く聞こえませんでした。
というか、犯人はコイツかよ。
元々ボリュームが大きくする癖がある私のウォークマンの先にあるイヤホンを持つ彼女。
目が半端なく大きく小振りの鼻に薄い唇、そして腰まである長い黒髪。
眉毛がつながっていなければ、こりゃあ美少女だ。
「愛華ちゃん、もういいよ。私たち気にしていないから」
一部の女子が、何やらアイカに声をかける。
「でも、話しかけているのに無視するのは良くないよ!」
雰囲気が悪いなぁ。
早く終わればいいのに。