ヤンキー×お嬢様
「エリカに謝って」
その子の強い瞳が、私を動けなくする。
「お節介が迷惑?
ふざけんな!
こっちの気遣いも知らないで・・・!」
「柚子!」
声を荒げたのは、私を校長室に案内してくれた、あのメガネの子だった。
「あやめだってそう思うでしょ!?」
「そうだけど、言い過ぎだよ。
少し落ち着こう」
気が付けば、皆は私たちを見ていた。
イライラする。
「アンタさぁ、」
私は、椅子から立って荷物の整理しながら話す。
そして、スクバを肩に引っかけ、振り向きショートカットの子と目を合わせる。
「な、何・・・」
その目。
怖いくせに、友達を守ろうとする強い目。
そういう目が、
「こっちの気遣いも知らないで?
余計なお世話だ。
それに、アンタたちこそ私の気も知らないでベタベタしないでくれない?
うざいよ」
嫌い。