ヤンキー×お嬢様
人間はどうやら、見てはいけないものを見てしまうと、無意識に目を逸らしてしまうらしい。
ちなみに、具体例を挙げると
「やだやだ!手放してよ!」
「何で此処にいるんですか!?
あれほど此処に来るなと言ったじゃないですか!」
スーツ+メガネが神山にキレているところだ。
更にちなみに、私は猿でもなければチンパンジーでもなく、人間な訳で。
要するに、
「・・・」
しばらく見つめてから、何もなかったことにし素通りするわけだ。
そう、今誰かと目が合った気がするのも気のせい。
「こらー!
今絶対、目が合っただろ!」
気のせい気のせい。
「聞いてんのか!」
気のせい気のせい。
「質問に答えろ!
咲丘美雨!」
・・・どうやら、気のせいではないようだ。
「何やってんの」
渋々嫌がる神山の腕を掴む男の人に、話しかける。
正直今、神山と話したくないし。
「な、金髪にピアス・・・!?」
男は目頭を押さえ、何やら考える素振りをした。
いや、金髪にピアスがどうした。