図書室から見る君は…
図書室
キーンコーンカーンコーン

帰りの会のチャイムがなった。

「それじゃ~ここまで~」

それと同時にくろぶち眼鏡がとても似合っている、滝谷先生が大きい声で終わりを告げた。

「起立~礼~」

『さよーならー』

言ったのと同時にみんなは部活を行ったり、帰ったり、遊びに行ったり…風の様に教室から出ていった。

それから…あっ私は宮瀬新菜(ミヤセニイナ)です。

中2です。部活は吹奏楽です。
今日は水曜日なので部活が休みで現在図書室に向かっています。

えっ?それは何でかって??

それは………

ガラガラ

『こんにちは~』

「こんにちは」

この人はこの図書室を管理してる、田宮先生。

「今日もいるわよ♪」

『ありがとうございます///』

先生は私が図書室に来ている理由を知っています。


私の特等席はグランド向きの席で一番左端の席。

図書室に行く理由は他でもないあなたを見るため。


一応本を持って見ている振りをしている。

その隙間からあなたを見ている。


「佑真~こっちこっち~」

『ドキッ』

私の好きな人は鈴木佑真(スズキユウマ)。

同じ学年で、部活はサッカー部。

そして…隣の席。



「ヤッベ!!教科書忘れちった~~」

大丈夫かな?

「次の時間内田じゃん!!ドンマイ☆」

うわ~…よりによって内田先生かぁ~…
あの先生って忘れ物するとゲンコツくらうって…。

「どうしょうか~?」

貸してあげるって言わないと…!!

頑張れ、新菜!!!

『あっ……あの!!』

「ん?どした?宮瀬」

うわっ…!今見られてる……!!!

『よかったら…使ってください……!!』

「…………」

あれっ??反応が……

「…ありがとう~~~!!でも宮瀬は大丈夫か?」

めっちゃ喜んでる~!!

『わっ私は隣の教室の友達に借りるので…!』

「宮瀬ありがとう~お前は神だ!!」

かっ神!?なんか嬉しい……

キーンコーンカーンコーン

それから私は隣の教室の友達に教科書を貸してもらいました。

~授業後~

「宮瀬!!」

『はっはひっ!?』

最悪~……緊張して声が裏返った…

「ぷっハハハハハおっお前大丈夫か?」

グッ…わっ笑われた…。

『そんなに笑わなくても…(泣』

「はっ!!ごめんごめん!それより教科書サンキュー」

鈴木くんが使った教科書……!!

『いっいえ!!』

キーンコーンカーンコーン

チャイムが邪魔してあっと言う間に次の時間…

何気に教科書を見ると……

゛ありがとう″

の文字。


私は鈴木くんに対して気になっている存在だったのに、この5文字から好きな人に変わった。
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