闇
邂逅
見慣れない校舎の前に立ち、私は気持ちを落ち着ける為に、深呼吸を した。
大丈夫。
まだ何にも、始まってないんだから。
昇降口のガラスドアに貼られた紙の中から、自分の名前を捜す。
「……在った。」
私は、1つの名前に目を留める。
――桜 海崎(さくら みさき)。
それが、私の名前だ。
< 1 / 189 >
メニュー