朝食を食べ終えて、曽根倉君達が来て。

ベッドに腰掛けた翔織に、夢の話を すると、彼は躊躇いつつも、口を開いた。

「……覚えてる。」

「あの日、ご両親が殺されたの?」

私の言葉に、翔織は黙って頷いた。

「……お願い。私に、貴方の事を教えて。それで、私にも、貴方を護らせて。」

前に、私を いじめから護ってくれたみたいに。

私も、翔織を護りたい。

「…………………………………………。」

長い沈黙。

そして、翔織は口を開いた。

「……聞くだけで、嫌な想いを する事に なる。」

「それでも、聞きたいの。」

紅い瞳が私を見て、それから床を見つめた。

「……解った。」

そうして話し始めた翔織の声に、私達4人は静かに聞き入った。

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