溺愛トレード

 実乃璃が一度泣き出すと最悪だ。

 多分、涙が枯れるまで泣き続けるから私は実乃璃の気が済むまで付き合わなきゃいけなくなる。


 瀧澤さんが言うように、少しマリッジブルーみたいなものも含まれているのかもしれないな。


 実乃璃は、私の胸に顔を埋めた。

 涙で服が濡れていく。



「悔しい……」 

「今度は何?」


 傍観者になっている徹平はマカロンを食べて「うめっ」とほっぺがこぼれ落ちそうな顔をする。



「プンちゃん、私よりおっぱい大きくて柔らかいっ!! 私のおっぱい、半分くらいしかないかもぉ……ふぁあん!」


「それ被害者妄想だし……」


 マカロンを三ついっぺんに口にいれた徹平が喋り辛そうに「わかる? 実乃璃ちゃん!」と嬉しそうな顔をした。


「ちょっと、徹平!」

「乃亜の胸、気持ちいいんだよね。そうやってると最高でしょ?」



 実乃璃は泣きながら「くやしぃー!」と叫んだ。



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