溺愛トレード
溺愛ヴァカンス(誘拐編)
────ミャー、ミャー、ミャーと海猫の鳴く声。そしてガーッと水を弾く音がして、私を覆う何かの先に強烈な紫外線を感じる。
トランポリンにでも寝かせられているのかな? しかもそのトランポリンで一流選手が大業を次から次へと成し遂げているかのごとく揺れている。
ふと目を開く。真っ白なタオルが敷かれてるけど…………
「ギャーッ!! ここどこっ!?」
「おはよう、乃亜。いい天気だ。絶好のヴァカンス日よりだね」
瀧澤さんは、ブランドのロゴが入った真っ白なポロシャツ姿で、目を覆うサングラスをかけて操縦桿を握って私に手を振った。
慌てて起き上がると、途端に風に打たれて倒れ込みそうになる。
なに、これ?
夢??