白の龍~私を救った暴走族~
白龍
私は今、これから3年間通う美ノ宮高校の前にいる。
私の隣には大地が・・・
それは方向音痴な私を心配して、朝早くに迎えにきてくれたから。
「子供扱いしないでっ!!」って言いたいけど、正直助かった。
だって、絶対一人だったら迷ってたはずだから・・・
そんな私は、大地ともう一人の白龍の人、前に会った松田徹也くんと同じクラスだった。
大地は昔から知ってるからいいけど、人と関わりを持ちたくない私は、松田君が苦手だった。
だって、人懐っこい人だから、心を許してしまいそうになる・・・
裏切られるのは、もう嫌だよ・・・お願いだから、関わらないで・・・
そう思う私の心とは逆に、何かと話し掛けてくる松田君。
松田君と呼ぶ私に、「徹也って呼んで!」と、ひたすら言ってくる。
松田君・・・いや、徹也くんは、「徹也くん」と呼び始めた私に、「てっちゃんって呼んで!」と言い出した。
それに根負けした私は、「てっちゃん」と呼ぶことになってしまった。
それを見ていた大地は、助けることなく、ただ笑って見ていただけだった。
助けてくれてもよかったのにぃ・・・
今日は授業がないので、入学式を終えた私達は教室に戻り、SHRを終え学校を後にした。