白の龍~私を救った暴走族~
ノックもせずに遥にぃの部屋のドアを開ける。
「遥にぃ~、寝よう!!」
私は自分のベッドのようにゴロンと寝転ぶと、灰皿に煙草を押し付けて私の横に寝転んだ。
遥にぃや美羅ねぇは、気まぐれに来る私をいつも何も言わないで一緒に寝てくれる。
腕枕をしてくれて私を抱きしめて寝てくれるんだ。
安心すると睡魔が私を襲う。
そして眠くなると私の小さい頃からの癖が出る。
「遥~・・・美空たんおねむ~」と目を擦る。
「あぁ、安心して寝ろ。」
そう言って遥にぃはギュッと抱きしめてくれると、すぐに深い眠りに落ちた。
「ったく・・・美空は本当に大丈夫なのか?はぁ~・・・心配だ・・・変なヤツに捕まんなきゃいいけど。」
すっかり夢の世界にいた私には、遥にぃの心配事など知らなかった。