白の龍~私を救った暴走族~


ー次の日ー


昨日の言葉通り、家の玄関の前には大地とてっちゃんがいた。


私に気がつくと「「おはよー」」と、二人声を揃えて挨拶をしてくれる。


駆け寄った私は、「おはよっ。」と挨拶をした。


そして歩き出すと、大地が「今日の昼飯、屋上で食わねぇ?」と私に聞いてきた。


ん?屋上・・・?


「別にいいけど・・・」


私がそう答えると、「あー」「んー」と唸る大地に首を傾げた。


はっきりとしない大地を見かねて、てっちゃんが口を開いた。


「屋上は基本、白龍の幹部クラスの人しか出入り出来ないんだ。でも蓮に美空も同じ学校だって話したら、屋上に連れてこいって言うからさー。」


えっ・・・?どうして私が?


「私・・・その人に何かした?」


「いや、そういうんじゃない・・・ただ、気に入られたんじゃねぇ?」


大地は言いづらそうに答えた。


「私、やっぱり行かない。」


「美空、大丈夫だって!蓮は悪い奴じゃない。寧ろ俺は尊敬してんだよ!もし万が一、蓮が美空に何かしたら、たとえ蓮でも俺が許さないから、だから俺を信じてくれ。」


いつの間にか歩みを止めていた私たち・・・。


大地がそこまで言うのなら、蓮って人はきっと悪い人じゃないんだろう・・・。


でも、やっぱり・・・





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