白の龍~私を救った暴走族~
私たちが校門についた時、一台の高級車が停まった。
車のまわりには、もの凄い人集りができていた。
そして、車から降りてきた人は・・・
茶髪のイケメンさんと・・・黒髪に金メッシュの蒼い瞳の彼だった。
彼が鋭い目つきで周りを見渡すと、黄色い声援がピタッと止まり、シーンと静まり返った。
私が先に校舎に入ろうとすると、隣にいたてっちゃんが声を上げた。
「おーい、大和~、れ~ん!」
すると蒼くて何でも見透かしそうな瞳がこちらを向き、目が合った。
一歩、また一歩とこちらに歩み寄ってくる彼。
そして私の前まで来ると、足を止めた。
「昼、屋上で待ってる。」
そう一言だけ言って、私の返事も聞かずに行ってしまった。
彼がいなくなれば、人集りも無くなっていた。
まだその場に残っているのは、私と大地とてっちゃんの三人だけだった。
「さーて、俺らも行くかー!」
てっちゃんの声に寄って、私たちも校舎の中へと入っていった。