できちゃいました!(結婚しました!番外短編)
「は~い、あ~ん♥」

さっきまで怒ってたくせに、

大きめにちぎられた甘い物体を俺の口に運んできた。


俺はひなか?

砂糖と空気でできたその物体は

じょわっとした感覚とともに口の中で形をなくした。

甘くて懐かしい味がした。


「美味しいですか?」


「まあな、たまにはいいな。」


それを聞くと、音々は笑顔になって


「毎年買ってくださいね。

 私とお腹の子に。」

と言った。


「2つか?」


「そうですよ、子供が可愛いからって

 私は、いらないとかなしですよ。」


「ば~か。」


そんな俺の返事はきっと、もう音々には届かなかったと思う。


















< 20 / 35 >

この作品をシェア

pagetop