君に愛の歌を、僕に自虐の歌詞を
僕自身も非常に興奮しており、今すぐにでも彼女を押し倒してやりたかった。
顕在的な所で「セックスなんてしなくても、彼女を愛してる」と考えてはいるが、やはり本能には抗えない。 奇麗事だけが愛情にはならない。 人間としてつぐみを愛していると同時に、動物として彼女を求めている。 その身体を。
別にこの欲求は、ごく自然なものである。
だから僕は彼女の頬に当てていた手を、太ももに移動させた。 細い割にはムッチリと肉付きの良いそこを撫で、スカートの中に手を入れる。
「ここだろ」
「…………うん」
ゆっくりと、愛しむようにキスを繰り返しながら、彼女の身体にまとわりついてる洋服を脱がしていった。 冬だというのに、僕は尋常じゃない程に汗をかいていた。 全身が暑くて仕方なかった。 心臓が爆発してしまいそうで、呼吸が苦しい。 なんでこんなに緊張しているのだろう、――――――手が震えてる!
セーターを脱がせた。 華奢な肩が剥き出しになる。 白いレースのブラジャーのホックを外そうと背中に手を回したが、つなぎ目が無かった。 まさかと思って胸の中央辺りを探ると、磁石でカップが繋がれていた。 意外だったけど何か嬉しかった。
ブラジャーを外し、思ってたよりも大きめな胸が露わになる。 思わず生唾を飲み込んだ。
「…………優しく出来そうにないけど」
その胸の形が変わる程、力を入れて掴みたい。 泣いて懇願してくるまで、激しく掻き回してやりたい。
つまり彼女を抱きたい。 純粋に、心の底から。
今までそんな事はなかった。 だから今、自分でも戸惑ってる。
「身体を不自由にしたり殺さない限りは、何してもいいですよ」
と、冗談めかして答えたつぐみに、再度キスした。 そして腰と肩に腕を回し、ゆっくりとベッドに横たえた。 肌が触れ合ってる部分がひどく熱い。 汗で湿ってる。
僕はどうしても自分を抑えられなかった。 身体を愛撫するにも、爪を立てたり噛みついたりしてしまう。 つぐみはそれを痛がったり嫌悪する様子はなく、どちらかというと悦んでいるらしい。 気持ちよさそうに目を細め、熱い吐息を漏らすのが手に取るように解った。 だから好きなように触った。
たっぷりと時間を掛けて、全身くまなく愛撫したあと、彼女と一つになった。
視界が揺れた。
世界が崩壊した。
身体が動く度に、だらしなく開いた自分の口から吐息を通り越して喘ぎ声が出る。 情けないが止められなかった。 彼女の脚を割り開き、全てを征服するように律動を繰り返す。
だが実際に征服されていたのは僕の方だった。 証拠として口から喘ぎ声と涎が溢れてくるし、目にはつぐみの姿しか見えない。
泳いでもいないのに、溺死しそうだった。
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