君に愛の歌を、僕に自虐の歌詞を





「自分より弱い奴イジメて、イジメまくって、自分の虚栄心を満たしてるようにしか見えないんだけど」


思った事をそのまま言ってみた。
神田が「よく言った!」というような視線を送ってきたが、その手の箸は止まらず弁当を貪っている。 舞洲はポカンと口を開いて僕を見て、


そして、


「“虚栄心”って何?」


ゆとり教育って何?と思わせられる、有〜〜〜難いお言葉を下さった。


「意味わかんない! 口出すなだし!」


「○○だし」の使い方も間違っていると思うが、本人はそんな事どうでも良さそうだ。

呆れてものも言えない僕ら男子を尻目に、舞洲やその腰巾着達は、吉永を引きずって教室の出入口へ向かおうとしたが。


したのだが。











「ギャーギャー五月蝿い、あんた。
 あと物凄くケバい」


突如教室の出入り口に、妙に存在感のある人物が現れた。




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