君に愛の歌を、僕に自虐の歌詞を
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僕は然程頭は良くないが、流石に草野さんの気持ちは解っていた。
彼女は心から僕を好いてくれてるが、僕が彼女を愛してるようには愛してない。
こういう事を堂々とのたまうのはこっぱずかしいけれど、僕は彼女のためなら死ねる。
でも草野さんは、僕をそこまで想って居ない。 もし僕の命に危険が迫っても、自分の身を犠牲にして助けようとは思わないだろう。
初めてセックスした時、彼女が耳元で「ごめんね」と謝った事が忘れられない。
あの時、僕は直感で解ってしまった。
草野さんには、他に好きな人が居る。
でもどこか諦めている。
そして、その好きな人と結ばれないからと、僕で妥協してしまったような自分が許せない。 だから謝ったんだ。
彼女にとって解りやすく、愛情をくれる相手が僕だったのだ。
それを思うと、ちょっと悲しかった。
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