合縁奇縁~去る者は追わず来る者は拒まず
「そんなに悔しいなら、俺が復讐してやりましょうか?
木村さんの代わりに」
わたしが黙って想いに耽っているのをいいことに、突然、山城が物騒なことを言い出した。
「あの手の女の攻めどころはわかってます。
だから藤井理梨香を落とすのなんて楽勝っすよ。
あっけなく振られたら、桜井さんも目が覚めるんじゃないっすか?
いい気味でしょ。
そしたら木村さん、煮るなり焼くなり、好きなようにすればいい」
山城一騎はそう言ってわたしの涙を片手で拭ったのだ。