合縁奇縁~去る者は追わず来る者は拒まず
「別れてくれ」
目の前の誠は、テーブルに額を擦り付けんばかりに頭を深く下げ、たった一言そう言った。
いったい何年付き合ってきたと思ってんの?
そんな簡単な一言で、全てをわたしに理解しろって?
甘えんじゃねぇよ!!
だいたいこの三年、あんたはわたしの家に入り浸りで、ただ飯食らって光熱費浮かして、先月新車買ったとか言ってなかったっけ?
俯いて拳を握り締め、怒りを爆発させようと身構えたその瞬間、形勢は逆転した。