合縁奇縁~去る者は追わず来る者は拒まず
誠に捨てられて絶望したわたしだけれど、天はわたしを見放した訳じゃなかったみたい。
代わりに、天にも上る快感を味わうことができたしね。
わたしの人生は第二ステージに上がったと思うことにしよう。
純粋な恋愛から、生きる為の恋愛へ。
これが神の意志なら流されてみようじゃない。
時間は止まってはくれない。
どうあっても前に進まなければ。
どうせ進むなら、地に足つけて自分の意志で進みたい。
自分で選び取った、悔いのない人生を。
二人で絶頂を向かえたその瞬間、わたしは意識を手放した。
だから……、果てたわたしに山城が優しく口付けしていたことなんて知る由もない。
それがいったい何を意味していたのかも。