合縁奇縁~去る者は追わず来る者は拒まず
何が終わったんじゃぁ~
まだ、話はなんもついとらんぞぉ~
わたしがいつ、別れてやるって言ったのよっ!!
心の中で毒づくも、実際、目の前の光景は、幸せなカップル対それを邪魔する意地悪な年増女の図。
見るからに二十台のその肌は、わたしが逆立ちして歩いてみても勝てそうににない張りがある。
わたしは背筋を伸ばし、誠の顔を真っ直ぐ見ると、そのまま席を立った。
「幸せに……、なれるといいわね?」
語尾を僅かに持ち上げたのは、この巨乳女がわたしを勝ち誇ったような瞳で見上げてきたからだ。
最後の情けだ、拳固で殴る代わりに、あいつの足を1センチのピンヒールで思いっきり踏んづけてやった。
彼女の手前、大げさに声を上げることができない誠は、目を血走らせてその痛みに耐えていた。
それだけの我慢強さがあれば耐えられるんじゃない?
その性悪女のこれからの変貌にも。