合縁奇縁～去る者は追わず来る者は拒まず

「だから、春さんが仕事が好きで、仕事を続けることが生き甲斐なら、それこそ尊重すべき重要事項でしょ？」


「……は？」


わたしは言葉を失った。


なんかわたし、弄んでるつもりが弄ばれてる？

十も離れたこの若者に、これからの人生持ってかれる？

いやいや、まさか本気じゃない筈。

会話を盛り上げるための冗談に決まってる。


「こと春子に関しては、冗談は通用しないよ」


言葉に詰まりうろたえるわたしに気がついて、良子が山城を睨みつけた。


「わかってますよ、春さんのことは」


さらりと受け流した山城の本意がわからない。


さてさて、彼はどういうつもりなのか？