My Sweet DRAGON
えーと…とりあえず、まずは後ろをどーにかしなきゃ、だな。



「芹奈サン?」



「あー…いや、プレゼントとか、んなもんいらねーから」



「でも!」



「んなことより、ん」



「ん?」



「う・し・ろ」



「へ?」



キョトンと小首を傾げる龍樹からスッと視線をずらせば、すぐ後ろにはプルプルと身体を震わせながらグッと拳を握り締める鈴木。怒りを寸前の所で堪えているのだろう。気持ちがよく分かる分、なんだか気の毒になってくる。



「あのさ、オマエが空気読めないのは分かってんだけどさ、」



「はあ…」



「鈴木が…キレちゃいそうだなぁ…なんて!」



「キレる?へ?なんでですか?」



「なんでって…そりゃ、」



「テッメェ!!!」



「へ?」



瞬間、ブチッという効果音と同時に勢いよく拳を振り上げた鈴木。



はぁ…キレちゃったよ。まっ、オマエの気持ちも分からんでもない。……が。



「鈴木!」



「っ!」



アタシは龍樹に握られていた手を乱暴に振り解くと、鈴木の拳をバシッと払い落とした。

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