My Sweet DRAGON
“アイツ”



そう。晃太は……アタシの幼馴染みで、アタシが初めて好きになった奴の名前。



強くてカッコよくて、泣き虫だったアタシの傍にいて、いつも守ってくれて。そんな晃太にガキの頃のアタシは間違いなく惚れてた…と思う。



でもそんな晃太がモテないはずもなく、中1の夏頃から高校に上がる前まで、幼なじみだってことでいつも傍にいたアタシは、晃太に惚れた子達から陰湿なイジメを受けた。



その時のアタシは、学校に行くのが辛くて怖くて。でもそれと同時に苛められてることが恥ずかしくて、情けなくて。だから誰かに助けを求めることも出来なかった。そして無い頭をフル回転させ、悩みに悩んだ末、必要以上に強くなろうとした。



そう。その結果が今のアタシ。パッキンで、いかにもって感じのアタシの出来上がりってわけだ。



でもその代償は思ったより高くつき、高校になってからのアタシに友達という友達は出来ず、ん寄ってくる物好きと言えば、生徒指導の荒垣と、うちのアニキズに憧れて寄ってきた、田中・佐々木・鈴木ぐらい。そして後は…



「芹奈サン?」



「………」



「えと、大丈夫、ですか?」



「…ん」



そう。コイツぐらい。

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