幼なじみと一途な恋愛
「どうした?」
「ひっく……っ……」
困らせたかったわけじゃないのに……。
燈弥は優しいから、きっと私を心配してくれる。
そんな燈弥だから、困らせたくなかったのに……。
すると突然、グイッと肩を引かれたと思うと、頭に大きくて温かいものが乗った。
気づいたら、私は燈弥の肩に頭を乗せられていて。
頭の温かいものは、燈弥の手だった。
「とう、や……?」
「何で泣いてんのか分かんねぇけど……お前が元気ねぇと調子くるうんだよ。
だから……まぁ、泣くな」
「っ……」
嬉しかった。
こうやって肩を抱き寄せてくれたことも。
慰めてくれたことも。
この温かい、優しくて大きな手も……。
私を悲しませるのも、苦しくさせるのも、幸せにするのも、燈弥だけ。
「すぐ元気になるから。もうちょっとだけ、泣かせてね……」
私はそっと、目をつむる。
今はまだ、この体温に触れていたいから……。