幼なじみと一途な恋愛
「行くか…。離れんなよ?」
差し出された、燈弥の左手。
恐る恐る右手を重ねると、燈弥はギュッと私の手を握ってくれたんだ。
夢、みたい。
燈弥とこうして手を繋いで歩けるなんて…。
私、今が一番幸せだ。
屋台のある道に出た。
人混みがすごくて、手を繋いでいなかった離れてちゃってたと思う。
「何食いたい?」
「んー…お腹空いてるから、焼きそばとか?」
あ、でも焼きそば食べたら他のもの食べられなくなっちゃう…。
どうしよう、色々食べたいけど…。
んー、んー、と悩んでいると、燈弥が私の心を見透かしたように言った。
「全部俺と半分ずつにするか?」
「うん!」
なんで分かったんだろう、私の考えてること。
燈弥はいつもそう。
私の考えてることは何でもお見通し。
「お前が分かりやす過ぎるんだよ」って、前に言われたっけ。
何でだろう。
燈弥には何をしても敵わないんだ。