幼なじみと一途な恋愛



「行くか…。離れんなよ?」




差し出された、燈弥の左手。




恐る恐る右手を重ねると、燈弥はギュッと私の手を握ってくれたんだ。




夢、みたい。


燈弥とこうして手を繋いで歩けるなんて…。


私、今が一番幸せだ。





屋台のある道に出た。

人混みがすごくて、手を繋いでいなかった離れてちゃってたと思う。




「何食いたい?」


「んー…お腹空いてるから、焼きそばとか?」




あ、でも焼きそば食べたら他のもの食べられなくなっちゃう…。


どうしよう、色々食べたいけど…。




んー、んー、と悩んでいると、燈弥が私の心を見透かしたように言った。




「全部俺と半分ずつにするか?」


「うん!」




なんで分かったんだろう、私の考えてること。



燈弥はいつもそう。

私の考えてることは何でもお見通し。



「お前が分かりやす過ぎるんだよ」って、前に言われたっけ。



何でだろう。

燈弥には何をしても敵わないんだ。



< 150 / 255 >

この作品をシェア

pagetop