幼なじみと一途な恋愛
「じゃあな」
「ま、待ってっ」
鞄を持って出て行こうとする俺の服の袖を、まりあが引っ張る。
「い、言うから…」
「じゃ、聞かせてもらおうか」
まりあはギュッと俺の袖を握る手に力を込めると、小さな声で呟いた。
「………ったんだもん」
うん。
頑張って言ったんだと思うけど。
「まりあ、全然聞こえねぇんだけど」
「んなっ!?」
小さすぎて何言ってんのか分かんねぇよ。
「もう一回言ってくんね?」
「うぅっ…」
「まりあ?」
「〜〜っ」
するとまりあは、耳まで真っ赤な顔をして言ったんだ。
「前より燈弥が大好きすぎて、恥ずかしくなっちゃったのっ!!」
そう言ってまりあはパタパタと俺の家を出て行った。