幼なじみと一途な恋愛
「……」
ずっと動かなかった燈弥がゆっくりと私に近づいてきて、私の目の前で止まると、燈弥の指先が私の殴られた頬に優しく触れた。
その瞬間、ドキッと音を立てる私の心臓。
私の頬に触れる燈弥の手があまりにも優しくて。
「とう、や……?」
燈弥はゆっくりと私の頬から手を離すと、山里くんを睨みつけるように見た。
「……こいつ殴ったの、お前だろ」
いつもより低い、怒ったような声だった。
「だ、だったらなんだよ」
燈弥の迫力に押されて、オドオドと焦りながら言う山里君。
そんな山里君に歩み寄った燈弥は、さっきよりも低く太い声で言った。
「……今度コイツに手ぇだしてみろ。……お前、潰すから」
「っ……!!」
山里君は、もう何も言えないようだった。